腹壁 瘢痕 ヘルニア
- brittany161patton9
- Sep 25, 2022
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腹壁瘢痕ヘルニアとは 腹壁瘢痕ヘルニアとは? 腹壁瘢痕ヘルニアとは、 お腹の手術後に起こる合併症の一つで、 傷口付近の皮膚が膨らんで出てくる病気です。 皮膚よりも奥の筋膜が裂けて広がることで、お腹の中から腸や大網(脂肪)などが出てくるのが原因です。 腹壁 瘢痕 ヘルニア リスク因子は、肥満、高齢、喫煙、糖尿病などです。 特に 肥満は最も重要なリスク因子なので、 ダイエットがとても大切です。 腹壁瘢痕ヘルニアってどんな症状? 立ち上がったり座ったりすると、 傷口付近の皮膚が膨らんで出てきて、横になると元に戻ります。 手で押し込まないと戻らないこともあります。 痛みや違和感を伴うことがあります。 腹壁瘢痕ヘルニアの診断は立位と臥位で触診して行います。 ヘルニア門(裂けた筋膜の穴の部分)の大きさと位置、 ヘルニア嚢(飛び出た袋状の部分)の大きさを確認します。 また、押して腹腔内に還納できる(戻る)かどうかも重要なポイントです。 また、 CT検査でヘルニア門の大きさや位置、ヘルニア嚢の大きさや内容物を詳細に確認したり、腹壁を構成する筋肉の状態を把握することができます。 腹壁瘢痕ヘルニアの治療法は? 腹壁瘢痕ヘルニアが 自然に治ることはありません。 手術が唯一の治療法で、 筋膜が裂けてできた穴を塞ぐ必要があります。 穴を糸で縫ったり、メッシュを敷いて塞ぎます。 ヘルニア嚢に腸管が癒着していることが多く、必要に応じて剥離します。 手術方法は様々ですが、 腹腔鏡手術か 開腹手術で大きく分けることができ、腹腔鏡手術では入院期間が短くなり、短期的なQOLが高く、創感染が減るのが利点です。 腹壁瘢痕ヘルニアの治療にダイエットは必須です 肥満があると、腹壁瘢痕ヘルニアになりやすいだけでなく、手術後に再発しやすくなります。 そのため、 治療にダイエットは必須です。 腹壁瘢痕ヘルニアを治療する目的は何でしょうか? 腹壁瘢痕ヘルニアを治療する目的は2つあります。 痛みや違和感、美容的な問題などの症状を改善することと、 嵌頓のリスクを防ぐことです。 しかし、慢性疼痛や腸管損傷、再発などの様々なリスクを伴う手術ですので、手術するかどうか十分に検討することが必要です。 また、メッシュを留置すると、次に手術する必要が生じた時に、メッシュが手術の妨げになる可能性があることも考える必要があります。 手術に関連した合併症としては、 慢性疼痛、創感染、腸管損傷、腸管麻痺、腸閉塞、ヘルニア再発、メッシュの膨隆、漿液腫などがあります。 腹壁瘢痕ヘルニアを手術しないで、様子をみてもいいですか? 多くの人が無症状やわずかな症状であり、気がつかないことも多いです。 症状がなければ経過観察することも選択肢ですが、徐々に大きくなったり、痛みや違和感を伴うようになることがあります。 特に注意が必要なのは、腹腔内にあった腸管が脱出し、 嵌頓して戻らなくなることがある点です。 嵌頓すると、腸管が締め付けられて腸が詰まってしまう(腸閉塞)や、腸管が壊死してしまうことがあり、緊急手術が必要になります。 病状や手術の合併症などをよく検討した上で、手術の必要性を考える必要があります。 腹壁瘢痕ヘルニアのガイドライン 日本には腹壁瘢痕ヘルニアガイドラインがありません。 まとめ:腹壁瘢痕ヘルニアとは、お腹の手術後に起こる合併症の一つで、傷口付近の皮膚が膨らんで出てくる病気です。
腹壁瘢痕ヘルニアとは?
腹壁瘢痕ヘルニアの治療 腹壁瘢痕ヘルニアは、自然に治ることはありません。 ヘルニアバンド(ベルト)で脱出を抑える方法もありますが、治療とはいえません。 現時点では、 手術が唯一の治療法です。 ただし、すべての腹壁瘢痕ヘルニアが手術の対象となるのではありません。 例えば、次にあげるような場合に手術を考慮します。 痛みを伴う• 見た目がとても気になる• 生活に支障をきたしている• ヘルニアが大きくなり、その部分の皮膚が薄くなる• ヘルニアにより、腸閉塞(ちょうへいそく)の危険性がある• 嵌頓(かんとん)といい、ヘルニア門から腸が脱出したまま元に戻らず、腸の血流が悪くなり壊死(えし)してしまう可能性がある すなわち、ヘルニアの大きさではなく、ヘルニアのためにどれだけ困っているかという症状が手術適応を判断する指標になります。 腹壁瘢痕ヘルニアの手術 手術の方法は、大きく2通りあります。 従来から行われている 開腹手術(かいふくしゅじゅつ)と、近年発達してきている 腹腔鏡下手術(ふくくうきょうかしゅじゅつ)です。 最近では、ロボット支援下手術を導入している施設もあります。 日本では、 年間約9,000人の患者さんが腹壁瘢痕ヘルニアに対する手術を受けています。 開腹手術・腹腔鏡下手術それぞれ
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